Journal

2022.06.30

医薬品パッケージにおすすめの印刷方法は?依頼時の注意点も解説

薬局やドラッグストアなどで目にするさまざまな医薬品。医薬品パッケージとは、医薬品をはじめ、医療機器や化粧品の包装に使用される印刷物のことを指します。品質管理項目が多岐にわたり、また機能性や正確性、安全性の確保が求められることから、たったひとつの製品不良も許されない印刷物といえます。今回は、高度な品質管理が必要な医薬品パッケージを取り上げ、最適な印刷方法や印刷会社に依頼する際の注意点を解説します。

INDEX
医薬品のパッケージ印刷とは?
医薬品パッケージ印刷にはどんな種類がある?
医薬品パッケージにおすすめの印刷方法は?
医薬品パッケージ印刷を依頼する際の注意点
CCG HONANDOの品質管理
CCG HONANDOの医薬品にかかわる製品
医薬品にかかわる製品製造はCCG HONANDOへ

医薬品のパッケージ印刷とは?

医薬品パッケージ印刷とは、医薬品や化粧品、医療機器などを包む包装資材に行なう印刷のこと。普段目にする医薬品や化粧品には、シート状に1錠ずつ包装されたものから、瓶やプラスチックチューブの容器に入れられたものまで、さまざまな形状や種類があります。一つひとつの製品に合った最適な形状や用紙を検討し、印刷方法を選択していくのが医薬品パッケージ印刷の特徴です。またドラッグストアなどで扱われる医薬品の場合、店舗の環境や消費者の行動を考慮したパッケージにすることも重要なポイント。店舗が並べやすいパッケージの形にしたり、消費者が見やすく、わかりやすいデザインにすることで、よりたくさんの人に手に取ってもらえるようアピールできるでしょう。

医薬品パッケージ印刷にはどんな種類がある?

医薬品パッケージ印刷の種類は、製品の性質や使用するシーンによって異なりますが、大きく次の5つに分けられます。医薬品パッケージには、医薬品を輸送中の衝撃から守り、効果や注意事項などの情報を正しく伝え、類似品と差別化するという役割もあるため、パッケージを制作する際はこれらの観点に配慮する必要があります。それぞれの印刷の種類を確認して、より効果的なパッケージを制作しましょう。

①一般用医薬品(OTC医薬品)

薬局やドラッグストアなどで、処方せんが無くても購入できる医薬品をOTC医薬品といいます。OTCとは「Over The Counter」の略で、店頭で買える一般用医薬品という意味です。OTC医薬品はさまざまな年代・体質の患者さんが使用し、患者さん自身の判断で購入できることから、パッケージを制作する際は、取り間違いや誤飲を防ぐ工夫を盛り込む必要があります。品名や効果、注意事項などは大きく表示したり、わかりやすい色を使って目立たせるのが良いでしょう。

②医療用医薬品

医療用医薬品は、OTC医薬品と異なり、医師の診断・処方に基づいた利用が義務付けられている医薬品のこと。医療機関での利用が基本になりますが、医師の処方せんがなければ販売できない「処方箋医薬品」と、処方せんがなくても薬剤師がいれば販売できる「医療用医薬品」の2つに分けられます。パッケージには、類似品との取り間違いを防いだり、スムーズな在庫管理を促すために、製品名や包装単位などをわかりやすく表記する必要があります。

③医薬品ラベル

瓶やボトルに貼られるロールラベルも医薬品パッケージのひとつです。瓶やボトルは、1回に服用する量の多い医薬品や、服用回数の多いサプリメントで用いるのが一般的ですが、内容物が視認できる透明なラベルから、凍結保存に耐えられるラベル、偽造防止のためにブラックライトで光るラベルなど、使用シーンや環境に合ったさまざまな種類のラベルがあります。医薬品パッケージのなかで、最も印刷加工方法が幅広い製品といえるでしょう。

④医薬品添付文書

添付文書とは、医薬品に添付されている文書のことで、用法・用量や、服用した際の効果・効能、使用上の注意、副作用などの重要な情報を記載します。添付文書は薬機法に基づいて作成される公文書であるため、高度な技術と品質・数量管理が不可欠です。近年、添付文書の電子化が進んでいますが、まだまだ紙媒体が中心です。添付文書は小さく折り畳んだ状態で製品と一緒に同梱されることが多いため、薄紙を採用するケースがほとんどです。

⑤化粧品パッケージ

化粧品パッケージは一般的な4色を使ったカラー印刷ではなく、特色印刷でのオーダーが主流です。また、エンボス加工や箔押し、マットやツヤ加工などの加工技術をプラスすることで、普通のパッケージにはない高級感を演出したり、製品のブランディングに活用するケースも少なくありません。パッケージが商品の売れ行きを左右する「広告」になり得ることから、高度なデザイン表現と多彩な印刷加工技術、幅広い素材への対応が求められます。

医薬品パッケージにおすすめの印刷方法は?

医薬品パッケージには、薄紙や板紙、段ボール、フィルムなど、さまざまな種類の素材が使われています。例えば、厚手の板紙であればオフセット印刷、フィルムであればグラビア印刷、段ボールであればフレキソ印刷というように、印刷する素材に適した印刷方法を選択していきます。それぞれの印刷方法の特徴を把握しておきましょう。

①オフセット印刷

「オフセット印刷」とは、最もポピュラーな平版印刷のひとつで、印刷物を短時間で大量に印刷できるという特徴があります。写真や色の再現性に優れており、美しいグラデーションや写真のあるデザインに適した印刷方法です。厚みのある板紙との相性も良く、医薬品パッケージの多くでオフセット印刷が使われています。オフセット印刷は、油性印刷とUV印刷の2種類に分けられます。油性印刷は色を鮮やかに再現できるというメリットの一方で、インキの乾きに時間がかかるというデメリットもあります。UV印刷については次の項で詳しく説明します。

②オフセットUV印刷

「UV印刷」とは、紫外線を照射することで、UVインキを瞬時に硬化させる印刷方法です。油性印刷と比べてインキの乾燥時間を大幅に短縮できるため、短納期に対応しています。インキを瞬間的に硬化させることで、ホイル紙やPET、PPなどのインキが吸着しない素材への印刷も可能で、表現の幅を広げることができる印刷方法といえるでしょう。また、油性印刷では裏移りを防ぐためにスプレーパウダーを使用しますが、UV印刷ではスプレーパウダーが不要。不純物の付着を防ぐことができ、表面加工をきれいに仕上げられます。

UV印刷とは?メリット・デメリット、印刷の注意点を解説

「UV印刷」という言葉を聞いたことがありますか。「UV」というと、スキンケアや日焼け止めをイメージされる方も多いかもしれません。UV印刷は従来の油性印刷よりもメリットが多く、昨今の印刷現場に欠かせない印刷方法になっています。今回はそんなUV印刷にフォーカスを当てて、そのメリットやデメリット、ほかの印刷方法との違いについて詳しく解説していきます。

③オンデマンド印刷

「オンデマンド印刷」とは、印刷用の判を使わず、デジタルデータをCMYKの組み合わせで表現する印刷方法です。データ入稿後すぐに印刷に取りかかれるため、納品までの時間を大幅に短縮できます。短納期・少部数の商品に向いており、デザインの一部分を変えたものを複数パターン印刷したいというご要望にも応えられます。デメリットとしては、広範囲なベタやグラデーションがある場合に色ムラが目立つ傾向にあること、細かい文字・線に“にじみ”が出やすいこと、特色に対応していないこと、使用できる用紙が限定されることが挙げられます。

④グラビア印刷

「グラビア印刷」とは、凹版印刷のひとつで、金属板の凹みにインキを流し込み、印刷物に押し付ける印刷方法です。高精度な再現性が特徴で、細密な色の濃淡のある印刷物や濃いベタのある印刷物に適しています。グラビア印刷はさまざまな素材で使われていますが、パッケージにおいてはフィルム素材を用いることが主流です。グラビア印刷に使用する版は、シリンダーと呼ばれる金属ロールの表面にメッキを施しされたものを用います。レーザー製版と彫刻製版の2種類の製版方式があり、写真などの多い印刷物にはレーザー製版、文字などのシャープな線が必要な印刷物には彫刻製版というように、図柄や文字によって使い分けを行なっています。

⑤フレキソ印刷

「フレキソ印刷」とは、凸版印刷のひとつで、ゴムや樹脂でできた柔らかい凸版にインクを乗せて転写する印刷方法です。版と印刷物が直接触れる印刷方法で、版を見ると絵柄が反転しているのがわかります。弾力性のある版を使うため、段ボールのような凹凸のある紙でもムラなくツヤのある仕上がりが得られます。ただし、精密な再現性が求められる場合や、大量に印刷する場合には注意が必要です。特にカラー写真の再現性は高くなく、印刷時にベタムラが出やすい傾向にあります。1~2色印刷でコストを抑えたい場合に適しています。

⑥シルク印刷

「シルク印刷」とは、樹脂で作った穴の開いた版(スクリーン)にインキを乗せ、ヘラで刷り付けることで印刷を行なう方法です。以前はスクリーンをシルクで作っていたことから、「シルク印刷」と呼ばれていますが、現在はポリエステルやナイロンなどの樹脂で代替するケースがほとんどです。曲面にも印刷でき、また金属やガラス、陶磁器など、素材を選ばないことから「空気と水以外なら何でも印刷できる」印刷方法ともいわれます。下地の色の影響を受けにくく、一般的な印刷方法よりもインクを厚く盛れるため、くっきりとした色合いの仕上がりになります。

医薬品パッケージ印刷を依頼する際の注意点

医薬品は患者さんの命や健康に直結する製品です。パッケージに記載された1文字の間違いが、取り間違いや誤飲につながりかねません。薬機法やルールを遵守することはもちろん、薬を必要とする患者さんや薬を患者さんに届ける医療関係者の信頼に応えるためにも、印刷会社に原稿を支給する際は、情報に間違いがないか、データに不備がないかご確認いただくことをおすすめします。

CCG HONANDOの品質管理

長年にわたって医薬品業界の印刷物製造に携わってきた実績に加え、CCG HONANDOの徹底した品質管理体制は、多くの企業から信頼を得ています。品質管理における代表的な取り組みを紹介します。

①防虫対策…虫などの混入対策として工場内には補虫灯を設置
②カッター刃対策…手作業でカッティングする際は、折れにくい一枚刃のカッターを使用
③毛髪混入防止…印刷時に毛髪の混入を防ぐため、工場内での防止着用を義務付け

また、ISMS認証(情報セキュリティマネジメントシステム)を取得し、情報の取り扱いに細心の注意を払いながら、従業員の教育・指導にも力を入れています。

CCG HONANDOの医薬品にかかわる製品

CCG HONANDOでは、これまでに薄紙に印刷する添付文書、細かい折加工が施された化粧品の能書など、さまざまな製品を制作してきました。また、企業からのご相談も多く、「患者さんとドクターの間で共有できるようなダイアリーを作りたい」というご要望から誕生した「複写記録付きダイアリー」などの制作実績もあります。お客様の求める高い品質に、自由な発想力とアイデアでお応えしています。

折り加工とは?用途別おすすめの折り加工の種類を解説

パンフレットやDMなどの印刷見積もりを依頼すると、「折り加工」が含まれていることがあります。耳馴染みのない言葉かもしれませんが、折り加工は印刷物の仕上がりを大きく左右する重要な加工。情報をわかりやすく伝えるだけではなく、工夫やアイデア次第で商品やサービスをより効果的にアピールすることも可能です。今回は、そんな印刷物の印象を決める折り加工を取り上げて解説します。

医薬品にかかわる製品製造はCCG HONANDOへ

今回は医薬品パッケージを取り上げ、印刷の種類や注意点をご紹介しました。普段何気なく手に取っていた医薬品のパッケージには、製薬会社や印刷会社のさまざまな工夫やこだわりが込められているということをご理解いただけたと思います。CCG HONANDOでは、医薬品にかかわる製品を製造しています。お困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

Contact

各種お問い合わせ / 印刷のお見積もり・ご相談など
ご不明点ございましたらこちらよりお問い合わせくださいませ

お問合せはこちら

Back List

share
  • faceBook
  • twitter
  • B!
  • share

Latest Journal最新のコラム

Contact

各種お問い合わせ
/ 印刷のお見積もり・ご相談など
ご不明点ございましたら
下記よりお問い合わせくださいませ