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2023.02.27

環境にやさしいプラスチックとは?バイオマスや生分解性の特徴を解説

サステナブルな社会の実現に貢献する、環境にやさしいプラスチック

〈 INDEX 〉
「環境にやさしい」プラスチック製品の登場
「環境にやさしい」プラスチックの種類
バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックの違い
レジ袋の有料化などにより、環境にやさしいプラスチックがさらに注目されています
環境にやさしい次世代プラスチックを活用した製品例
CCG HONANDOが取り組む脱プラスチック製品の開発・製造
プラスチックごみの削減を目指し、できることから始めてみませんか

「環境にやさしい」プラスチック製品の登場

生態系に悪影響を及ぼすマイクロプラスチック(直径5mm以下の小さなプラスチック粒子のこと)が社会問題になっています。各社レジ袋の有料化などの取り組みを通じてプラスチックごみの削減を目指していますが、最近はバイオプラスチックを使用したプラスチック製品も登場。シャンプー・洗剤の容器、コンビニの弁当容器などに環境配慮型容器包装を導入する企業が増えており、2050年までに環境配慮型容器包装100%を目指しています。ほかにも、バイオマスプラスチックを使用したレジ袋なども見かけるようになっています。

マテリアルリサイクル

マテリアルリサイクルとは、廃棄物を新たな製品の原料として再利用するリサイクル方法です。「材料リサイクル」「材料再生」「再資源化」「再生利用」とも呼ばれます。マテリアルリサイクルは、大別すると「レベルマテリアルリサイクル」と「ダウンマテリアルリサイクル」に分けられ、前者は廃棄物を同じ製品の原料としてリサイクルする方法、後者は廃棄物の品質が同じ製品の原料に満たない場合に、一段階下げた分野の製品原料としてリサイクルする方法です。

ケミカルリサイクル

ケミカルリサイクルとは、廃棄物に化学的な処理を加えて、他の物質に転換してから再利用することを指します。「化学的再生法」とも呼ばれ、廃プラスチックを油化やガス化して化学工業原料にする場合などに使われています。近年、廃プラスチック問題を「埋め立て」「焼却」で解決するのではなく、熱分解法やガス化法によって解決しようという動きが見られ、ケミカルリサイクルが注目されています。さらに、このリサイクル方法を用いることで、廃プラスチックが水素やメタノール、アンモニア、酢酸といった化学工業に使われる物質へと分解されます。本来は化石資源から作られる化学製品を、廃プラスチックで生み出すことになるため、資源の節約にも貢献しています。

「環境にやさしい」プラスチックの種類

レジ袋有料化の取り組みを受け、プラスチック素材が環境に与える影響について多くの人々が関心を寄せるようになりました。環境に良くないとわかっていても、これまで利便性やコストなどの優位性を求めて活用してきたプラスチック製品を、すべてほかの素材に切り替えるのは難しいことです。

そこで最近注目されるようになったのが「バイオプラスチック」です。レジ袋有料化の除外素材として、または、環境負荷の少ないプラスチック素材としてその名前を耳にしたことがあるかもしれません。このバイオプラスチックは大きく2種類に分けられ、「バイオマスプラスチック」と「生分解性プラスチック」があります。この2つのバイオプラスチックについて、詳しくご説明します。

バイオマスプラスチック

動植物から生まれた、再利用可能な生物資源の総称を「バイオマス」といいます。「バイオマスプラスチック」は、例えばトウモロコシやサトウキビといった可食植物の、食べられない部分を有効活用して製造されたプラスチックです。植物は成長する時の光合成によって二酸化炭素を吸収するうえ、何度でも再生可能であることからサステナブルな素材といえます。

プラスチックは、紙素材では代替できない耐水性や強度を求められる場合に有効な素材です。バイオマスプラスチックは、植物の食べられない部分を使用するため、食糧供給に影響せず、その種が存在する限り何度でも育てることができます。基本的には、石油資源のように枯渇する心配もありません。

また、バイオマスプラスチックは、大きく「全面的バイオマス原料プラスチック」と「部分的バイオマス原料プラスチック」の2つに分けることができます。

●全面的バイオマス原料プラスチック

原料のすべてがバイオマス由来のプラスチックを、全面的バイオマス原料プラスチックといいます。

●部分的バイオマス原料プラスチック

原料の一部がバイオマス由来のプラスチックを、部分的バイオマス原料プラスチックといいます。100%がバイオマス素材であることは一般的にほとんどなく、数十%のバイオマス素材を従来の石油由来原料に混ぜて使用することが多いようです。

バイオマスプラスチックとは?種類や原料、メリット&デメリットを解説

バイオマスプラスチックは、例えばトウモロコシやサトウキビといった可食植物の、食べられない部分を有効活用して製造されています。 植物は、成長過程で二酸化炭素を吸収すること、そして何度でも再生可能であることから、持続可能な素材といえます。今回のコラムでは、バイオマスプラスチックのメリット・デメリットなどを詳しくご紹介します。

生分解性プラスチック

「生分解性プラスチック」は、自然界に存在する微生物によって最終的に水と二酸化炭素に分解される性質を持つプラスチックです。プラスチックに特殊な素材を混ぜ込むことで、製品全体に生分解性を付与。堆肥環境で生分解するもの、土壌環境で生分解するもの、海洋環境で生分解するものなど、その分解条件にはさまざまな種類があります。

生分解性プラスチックは、意図せず排出された場合でも、微生物の力で自然に分解されるため、いわゆる「海洋プラスチック」の削減にも貢献できます。ちなみに、使用する時は従来のプラスチックと同じ機能を持ちますが、分解が進行する条件下になければ勝手に分解されることはありません。

自然界で分解される生分解性プラスチック。その問題点とメリット・デメリット

プラスチックに特殊な素材を混ぜ込むことで生分解性を付与し、微生物の力で自然に分解される性質を持つ「生分解性プラスチック」。土壌や海洋など適切な自然環境下で水と二酸化炭素に完全に分解されることから、地球にやさしい素材として注目されています。今回は、生分解性プラスチックのメリット・デメリットをはじめ、種類や用途などを詳しくご紹介します。

バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックの違い

ご説明した通り、バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックは、環境にやさしいという点では同じですが、その特徴は大きく異なります。プラスチックの原料に着目したのがバイオマスプラスチック、プラスチックの機能に着目したのが生分解性プラスチックといえば、わかりやすいかもしれません。

また、再生可能な資源を原料として製造された、自然界で分解されるプラスチックも存在しています。海洋プラスチックが問題視されていることを考えると、分解されないプラスチックよりも分解される生分解性プラスチックのほうが、より現在の情勢にあった素材といえるでしょう。

レジ袋の有料化などにより、環境にやさしいプラスチックがさらに注目されています

バイオマスを原料とし、生分解性を持つ「バイオプラスチック」の特徴は、従来のプラスチックと同じ性能を発揮しながらも、微生物等の働きで最終的に二酸化炭と水にまで分解されること。海外では石油の代わりに石灰石を用いてプラスチックを作ることで、水溶性のビニール袋が開発されています。国内でもトウモロコシを原材料としたプラスチックを生成し、海中で分解されるレジ袋が開発されています。

プラスチックごみが生態系に与える影響力は大きく、世界的にも「レジ袋」の使用を削減する動きが広まっています。現在、レジ袋を禁止、もしくは有料化しているのは世界60か国以上とも言われ、日本では、2020年7月からレジ袋有料化が義務づけられています。

日本チェーンストア協会の調査によると、レジ袋の辞退率は80.26%(2022年3月時点)になっています。レジ袋の有料化により、プラスチックごみの削減には一定の効果が示されたといえるでしょう。ただし、プラスチックごみの総量に占めるレジ袋の割合はわずかであるため、レジ袋の削減だけに満足することなく、まずは第一歩としてとらえることが大切です。

環境にやさしい次世代プラスチックを活用した製品例

環境対策の強化によって、身近な製品へのバイオプラスチックの採用は増加傾向にあります。具体的には、レジ袋や商品包装、パソコンや携帯電話などの部品が挙げられます。変わったものでは、お米由来のバイオマスプラスチックを使用した製品もあります。生分解性を有するバイオマスプラスチックの製品も増えていますが、瞬時に自然に還るわけではないので、その点では注意が必要です。

プラスチックは便利な素材で、私たちの生活においてもはや必要不可欠といえます。そこで、次世代プラスチックへの転換を図ることが、環境負荷を減らす第一歩となるのではないでしょうか。

レジ袋

レジ袋は、バイオマスプラスチックを活用した製品のなかでもっとも身近なものかもしれません。では、有料で購入する必要があるレジ袋と、無料でもらえるレジ袋があることをご存じでしょうか?

下記のいずれかにあてはまるものは、レジ袋有料化の対象とならない無料で配布できるレジ袋です。
①バイオマスプラスチックが25%以上配合されたレジ袋
②厚みが50ミクロン以上で、再利用を推奨する旨が表示されたレジ袋
③海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のレジ袋

①~③に該当するレジ袋には、それぞれにロゴや文言が明記されています。レジ袋をゴミ袋として使用する家庭ではあえて購入することがあるかもしれませんが、環境に配慮された商品を取り入れたいものです。

耐熱食器容器

環境にやさしい容器を使いたいと思いつつ、紙製の容器はプラスチックに比べると価格が高く、なかなか手を出せない場合もあるでしょう。コスト面での折り合いから、バイオマスプラスチック製の容器を採用するケースも増えているようです。

バイオマスプラスチック製の容器を得意とする専門業者では、多岐にわたる製品を用意しています。例えば、カレーやパスタを入れるのに適した仕切りのないタイプ、ご飯とおかずを組み合わせられる仕切り付きのタイプ、深さのある丼ぶりタイプなど。ほかにも、ドレッシングを入れるような小さなものから、電子レンジに対応しているものまで、さまざまな特徴を持った容器があります。

ストロー

ストロー

スターバックス コーヒーでは、プラスチック製のストローの廃止を目指し、2020年1月から紙製のストローへの切り替えを行なってきました。2021年9月からは、これまで使われてきた太い口径のストローも紙製となり、子ども用の曲がるストローを除くすべてのストローが紙製になるとのこと。また、セブン-イレブンでは、店舗によってはレジで提供するストローが申告制になっています。このように、使い捨てプラスチックを削減するための取り組みが、多くの企業で進められています。

紙製のストローへの切り替えや、ストローの提供そのものの廃止は、すぐに対応するのが難しいケースもあるでしょう。そんな時は、同じプラスチックでも、環境にやさしいプラスチックでつくられた製品を取り入れてみてはいかがでしょうか。ストローに関しても、環境にやさしいバイオマスプラスチックの採用が進んでいます。

ライスレジン®

「ライスレジン®」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。ライスレジン®とは、日本発のお米由来のバイオマスプラスチックで、食用に適さない古米や破砕米など、廃棄されてしまうお米をプラスチックへとアップサイクルしたものです。

ライスレジン®は、最大70%までお米を混ぜることができます。そのため、石油系プラスチックの含有量を大幅に下げられるのです。身近なところでは、全国の郵便局ではライスレジン®を使用したレジ袋が販売されています。ほかに、スプーンやフォーク、赤ちゃんのおもちゃの素材として採用されている事例もあります。

ライスレジン®は、地球上にある植物を原料としているため、カーボンニュートラルの性質も持っています。また、国内で生産できることから、外国産のバイオマスプラスチックと違い、政情や為替の変動などによってコスト面の影響を受けにくいのもメリットです。

CCG HONANDOが取り組む脱プラスチック製品の開発・製造

CCG HONANDOでは、脱プラスチックの観点から紙を素材としたさまざまな自社製品を企画・製造しています。いつも使っているアイテムの素材を見直すだけで、環境にやさしい取り組みになります。ぜひお気軽にCCG HONANDOにご相談ください。

●ペーパーファイル

A4サイズが入る紙製ファイルです。書類のお渡しや資料の送付など、プラスチック製ファイルは日常にあふれています。使い捨てのプラスチック製ファイルは適切にリサイクルされないことがありますが、ペーパーファイルは紙だけでつくられているので、そのまま処分できます。

●紙製うちわ

円形の紙製うちわは、すべて紙でできていて、コンパクトに持ち歩けます。プラスチック製の持ち手がついていないので、そのままリサイクルが可能です。

●マスクケース・マスクスタンド

手軽に使い捨てできる、紙製のマスクケースやマスクスタンドもご用意。マスクケースは内側を抗菌ニスで加工しているため、収納したマスクを清潔に保管することができます。マスクスタンドがあれば、置き場所にも困りません。

●#me_motto(メモット)

CCG HONANDOでは、環境にやさしいオリジナルのプラスチック製品開発にも取り組んでいます。たとえばテレワークで活躍するマウスパッドメモ「#me_motto(メモット)」。竹100%で作られた「竹紙100ナチュラル」を使用したA5サイズのアイテムで、マウスパッドとしてもメモ用紙としても使うことができます。環境にもやさしく、使うだけでエコな取り組みにつながります。ノベルティとしても大活躍の人気製品です。今後も、環境にやさしい製品の企画・開発に取り組んでいきます。

プラスチックごみの削減を目指し、できることから始めてみませんか

CCG HONANDOでは、世界的な海洋プラスチック問題を重く受け止め、解決へと繋げるための新たな自社製品を作っています。

プラスチックごみの削減を目指す取り組みのひとつとして、レジ袋有料化が始まりました。一方で、生活に欠かせない素材であるプラスチックを、従来の石油由来のプラスチックから、環境にやさしいバイオプラスチックに変える取り組みも進んでいます。一般的に普及してきたプラスチックの良いところは残しながら、環境に配慮した工夫がなされています。利用する側も提供する側も、それらをしっかりと使い分けることが大切です。

プラスチック製品は、どうしても使い捨てにならざるを得ません。だからこそ、環境負荷の少ないバイオプラスチックに注目が集まっています。普段なにげなく使っているプラスチック製品を見てみると、バイオマスプラスチックや生分解性プラスチックの認証マークが入ったものがあるかもしれません。まずは身近なところから、意識してみてはいかがでしょうか。

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