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2021.09.10

カーボンニュートラルとは?概要と仕組み、世界の現状をわかりやすく解説

「カーボンニュートラル」という言葉を聞いたことはありますか?カーボンニュートラルとは、いま世界規模で急速に動き始めている脱炭素社会を目指す取り組みの一つ。今回の記事では、カーボンニュートラルの概要と仕組み、世界や日本における現状などをあらゆる角度から解説します。また、印刷サービスを提供する企業として、そして社会を支える企業として、私たちCCG HONANDOが進めているカーボンニュートラルの取り組みもあわせてご紹介します。

カーボンニュートラルとは?概要と仕組み、世界の現状をわかりやすく解説

脱炭素社会の実現を目指す「カーボンニュートラル」とは?

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにする取り組みのことをいいます。ここでの温室効果ガスとは、主にCO2(二酸化炭素)を指します。カーボンニュートラルでは、企業や家庭が排出する温室効果ガスを省エネルギー化により削減。削減しきれない分は、植林や森林保護を通じて植物の光合成に使われる大気中のCO2の吸収量を増やすことにより、計算上、排出量を相殺します。

カーボンニュートラルの達成を目指す動きは、世界ではもちろん日本国内でも企業レベルで加速。CO2の排出量を削減するだけではなく、脱炭素社会の実現に向けたさまざまな取り組みが行なわれています。

カーボンニュートラルとは?概要と仕組み、世界の現状をわかりやすく解説

カーボンニュートラルの定義

カーボンニュートラルとは、直訳すると「炭素中立」という意味で、地球上に存在するCO2の総量が増えたり減ったりしない状態を表します。また、その実現を目指すための取り組みや考え方のことも指します。

CO2は温室効果ガスの一つで、地球上に存在するCO2の総量が増えると地球温暖化が進行します。そのため、CO2の排出量と吸収量を等しくし、トータルでプラスマイナスゼロとなるカーボンニュートラルを目指すことが重要視されているのです。

カーボンオフセットとの違い

「オフセット」とは、「差引勘定する、相殺する」という意味を持つ言葉です。カーボンオフセットは、企業や自治体などがCO2の排出量を削減する努力をしたうえで、他の場所でのCO2の削減と吸収によって相殺するという取り組みや考え方のことを指します。環境省では、カーボンニュートラルはカーボンオフセットの取り組みをさらに深化させたものであり、CO2の排出量の“全量”をオフセットすることと定義しています。

なぜ今、カーボンニュートラルを目指すのか

今、世界規模でカーボンニュートラルを目指すべき背景として、人間の活動によって深刻化している気候危機=地球温暖化の問題があります。産業革命以降、CO2の排出量が増えたことで世界の平均気温は1℃程度上昇。このまま温暖化が進行すれば、洪水や海面上昇、水・食糧不足、生態系の損失など、さまざまな危機的状況が起こるのではないかと指摘されています。私たちはすでにその一部に直面しており、国家間を越えた世界規模の取り組みとして、カーボンニュートラルを実現する必要があるのです。

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パリ協定でカーボンニュートラルの実現が目標に

地球温暖化対策に関する国際的な枠組みである「パリ協定(2015年採択、2016年発効)」は、2020年から本格的な運用が始まりました。パリ協定では、地球温暖化対策として、2050年までにCO2の排出量の大幅削減やカーボンニュートラルの実現を各国に求めています。多くの国々はこれに応え、2050年までのカーボンニュートラルの実現を宣言し、脱炭素社会に向けた動きが加速。日本もそうした国際社会の動きに追随し、現在、パリ協定の目標に沿った地球温暖化対策の見直しと施策が進められています。なお、2015年に開催された「国連気候変動枠組条約締約国会議(通称:COP)」では、地球温暖化を食い止めるために「世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分に低く保つとともに、1.5°Cに抑える努力を追求する」という合意がなされました。

日本では2050年までに温室効果ガスの排出をゼロへ

2020年10月、第203回臨時国会の所信表明演説において、菅義偉内閣総理大臣(当時)は「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする。すなわち2050年にカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言しました。また、中間目標として「2030年までに温室効果ガスを46%削減する(2013年比)」「さらに50%の高みを目指して挑戦を続ける」と表明。国際社会に追随するように、日本でもカーボンニュートラルへの注目度がますます高まっています。

カーボンニュートラルを実現するためには

カーボンニュートラルの実現に向けて、CO2の排出量を削減するだけではなく、既存のエネルギーから再生可能エネルギーへの代替、森林吸収源の確保など、さまざまな取り組みが必要です。国家として対応すべき課題はもちろんのこと、それぞれの企業や自治体による取り組みを積み重ねることが、カーボンニュートラルの実現に向けて重要になります。

2020年10月に開催された第42回地球温暖化対策推進本部では、 2050年までのカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みについて議論が行なわれました。菅総理からは、「地球温暖化対策計画」や「エネルギー基本計画」、「パリ協定に基づく長期戦略」の見直しを加速し、全閣僚一丸となって取り組むようにとの指示がなされました。カーボンニュートラルの実現を長期的なビジョンとして見据え、地球温暖化対策計画の見直しを含めたわが国の気候変動対策についても、中央環境審議会・産業構造審議会の合同会合において審議が進められているそうです。

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カーボンニュートラルの実現に向けた世界各国の対応

EUでは2018年11月、2050年までにカーボンニュートラルを実現するための「A clean planet for all(万人のためのクリーンな地球)」というビジョンが発表されました。2020年3月にはビジョンをより具体化した長期戦略が発表され、現在はカーボンニュートラル目標を含む欧州気候法案が審議されています。今後、再生可能エネルギーの導入を進める対策とともに、バイオマス(生物資源)の活用、森林吸収源の確保における戦略も立てています。

一方アジアでは、世界の石炭消費量の約半分を占める中国が、2020年9月の国連総会一般討論で「2060年までにカーボンニュートラルの実現を目指す」と表明。石炭に依存したエネルギー構造をどのように転換するのか、温室効果ガスの削減に向けてどのような政策を展開するのか、その動向が注目されています。

このほかにも世界各国で、カーボンニュートラルの実現に向けたさまざまな施策が進行中。その背景には、新型コロナウイルスの影響によって世界的に経済活動が停滞するなか、カーボンニュートラルによって環境投資を活性化させ、経済復興につなげようという狙いもあります。こうした動きは「グリーンリカバリー」と呼ばれています。

日本企業の取り組み

カーボンニュートラルの実現に向けて企業レベルで取り組むために、まずは事業活動におけるCO2の排出量を把握することが必要です。そのうえで削減目標を定め、省エネルギー化に取り組みます。それでも削減できない分は、再生可能エネルギーの導入や排出権の購入といった手段を利用し、間接的にCO2を吸収することで実質的に排出量ゼロを目指します。

こうした取り組みを通してカーボンニュートラルに挑戦することは、投資家からの評価を考えるうえでも非常に重要です。特に近年は、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字をとった「ESG投資」という考え方が主流になりつつあります。また、企業レベルでカーボンニュートラルに挑戦することは、経済活動と環境保全を両立させた新たな経営手法の創造にもつながります。

カーボンニュートラルの実現に向けて、世界はすでに大きく動き出しています。今後、日本企業もその影響をさらに受けることでしょう。カーボンニュートラルの実現に向けた積極的な取り組みは、企業価値を高めるだけではなく、グリーンリカバリーを進めるうえでも可能性を秘めているのです。

再生可能エネルギーとは?

石油や石炭、天然ガスといった、限りある化石由来のエネルギーではなく、太陽光や風力、地熱など永続的に存在する自然由来のエネルギーのことを「再生可能エネルギー」といいます。再生可能エネルギーの大きな特徴は、資源が枯渇せず、どこにでも存在し、さらにはCO2を排出しないこと。そのため、環境保全の観点から大きな期待が寄せられています。

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太陽光発電

太陽光発電とは、その名前の通り太陽の光を活用した発電方法です。建物の屋根や空き地にソーラーパネルが設置されているのを目にしたことがあると思いますが、日本では特に導入量が増えている発電方法だといわれています。ソーラーパネルに太陽の光が当たると光電効果という現象が起き、電気が発生します。設置する地域やスペースに制限がないため比較的導入しやすいのがメリットですが、曇りや雨の日、夜間には発電できず、天候に左右されるのがデメリットです。

風力発電

風量発電は、風の力で風車を回転させ、それを発電機に伝えて電気を起こします。設備を配置する場所によって陸上風力発電と洋上風力発電に大きく分けられ、陸上風力発電では海岸沿いや高原など、洋上風力発電では海洋上に設置されています。風力発電は発電効率が良く、風があれば夜間でも発電できるのがメリットです。ただし、風の状況によって発電量が不安定になる可能性があることはデメリットといえます。

地熱発電

世界有数の火山国である日本では、古くから地熱発電が注目され、実用化に向けた研究開発が進められてきました。1996年、日本初の本格的な地熱発電所である松川地熱発電所(岩手県)が運転を開始。現在では東北や九州を中心に展開されています。地熱発電は太陽光発電や風力発電とは異なり、昼夜や天候に関わらず発電量が安定しているのがメリットです。しかし、地熱発電のための設備をつくるためには入念な地質調査が必要で、時間とコストがかかるのがデメリット。そのため、日本で地熱発電がなかなか進まないといわれています。

バイオマス燃料

生物由来の資源を活用した再生可能エネルギーを、バイオマス燃料といいます。動物のフンや食品の生ゴミといった廃棄物系のものと、サトウキビやトウモロコシなどを原料とした栽培作物系のものがあります。バイオ燃料は資源を安定的に供給できるのがメリットですが、従来の化石由来のエネルギーよりもコストがかかるのがデメリットです。

水素・アンモニア

水素は地球上にたくさん存在しているため、さまざまなものから取り出すことができます。水素を酸素と反応させると、電気と水が発生。その電気をエネルギーとして利用可能で、燃やしてもCO2が発生しません。また、アンモニアは独特の刺激臭のある有毒物質ですが、水素分子を含み、圧力を加えるか冷却すると液体になります。水素と比べて貯蔵や運搬が簡単であるため、次世代の再生可能エネルギーとして期待が高まっています。

カーボンニュートラルの実現に向けたCCG HONANDOの取り組み

CCG HONANDOでは、「まずは私たちにできることから」と考え、カーボンニュートラルに取り組んでいます。印刷サービスを提供する企業として、事業活動におけるすべての分野でカーボンニュートラルを実現するには、資材メーカー各社にもカーボンニュートラルを実現してもらう必要があります。

そこで最初に取り組んだのが、調達エネルギーの代替です。CCG HONANDOでは、2021年8月から印刷物の製造における調達エネルギーを100%再生可能エネルギーのバイオマス燃料にシフト。東大阪第一工場と東大阪第二工場では、印刷物の製造工程においてバイオマス燃料を使用し、CO2排出量ゼロを達成。カーボンニュートラルを実現する工場として稼働しています。

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エコアクション21

CCG HONANDOにおけるすべての企業活動において、電力量の削減、水使用量の削減、廃棄物量の削減、ガソリン使用量の削減を進め、CO2排出量の削減に取り組んできました。そしてその一環として、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みもスタート。CCG HONANDOで製品を製造することで、お客様もCO2排出量の削減に貢献できる仕組みが可能となっています。

水なし印刷

CCG HONANDOでは、環境負荷低減の取り組みとして2019年8月から水なし印刷導入。印刷物の製造を通じてCO2排出量の削減に貢献できることに加え、水なし印刷を組み合わせ、お客様がさらなる環境負荷低減に貢献することができます。水質汚濁防止法の遵守はもちろん、化学物質管理促進法やグリーン購入法、ISO14000シリーズの対策にもおすすめです。CCG HONANDOでは、高品質な印刷物をご提供するだけではなく、ワンランク上の水準の、環境に配慮した製品の作成が可能です。

FSC® CoC認証

FSC® CoC認証とは、サプライチェーン全体を通じて製品が通る経路をすべてたどり、FSC認証の原料が正しく識別され、他の非認証製品と分別されているかを確認するものです。CCG HONANDOでは、このFSC® CoC認証の用紙を印刷に使用。認証を受けた用紙を使うことで認証製品が市場に増え、さらに認証製品の購入が進むことで適切に管理される森林が守られていきます。つまり、弊社の印刷物をご利用いただくことを通して、森林の破壊や劣化を招くことなく木材消費が進むというサステナブルな取り組みに、お客様も貢献することができます。

カーボンニュートラルを実現したCCG HONANDOの自社工場

前述の通り、CCG HONANDOは2021年8月から、自社工場の調達エネルギーを100%再生可能エネルギーのバイオマス燃料にシフトし、カーボンニュートラルを実現しています。CO2排出量の削減という枠の中だけではなく、海洋プラスチック問題の解決に向けて、脱プラスチックのアイテムや持続可能な教育に向けたノートといった新商品の開発、継続的に使える抗菌商材の提供など、環境負荷低減への取り組みは多岐に渡ります。こうした環境に配慮した製品づくりにSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた活動を組み合わせ、お客様への提供価値をさらに高めていきたいと考えております。

日本におけるカーボンニュートラルへの注目度は日に日に高まっています。経済産業省は、カーボンニュートラルを経済と環境の好循環につなげるため「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定し、さまざまな取り組みを強化しています。CCG HONANDOでも、「BEST PRINT FOR LIFE , FOR EARTH .」の理念のもと、これからも環境活動を続けてまいります。

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