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2023.12.26 印刷について

スコープ3に貢献するCCG HONANDOの取り組みを解説

スコープ3に貢献するCCG HONANDOの取り組みを解説

2015年のパリ協定以降、「カーボンニュートラル」は日本のみならず地球全体の課題として、各国に温室効果ガス減少への取り組みが求められています。日本においても社会全体でサステナビリティの重要性が高まり、有価証券報告書を通してサステナビリティ活動に関する情報を開示しなければなりません。自社の事業活動における温室効果ガス排出量の把握が求められるなかで、印刷会社であるCCG HONANDOは印刷物製造における調達エネルギーを、100%再生可能エネルギーにシフトしており、企業の「サプライチェーン排出量(スコープ3)」の削減に貢献します。今回は「温室効果ガス排出量の開示」に焦点を当てながら、当社によるスコープ3への貢献、取り組みについて解説します。

〈 INDEX 〉
有価証券報告書における気候変動情報開示について
スコープ3開示義務化の動き
スコープ1・2・3とは?
サプライチェーン排出量が求められる理由
CCG HONANDOのスコープ3への貢献に関する取り組み
まとめ

有価証券報告書における気候変動情報開示について

消費者・投資家が企業に対して脱炭素やサステナビリティを求める流れが加速しており、多くの企業で温室効果ガスの削減に関する取り組みや、再生可能エネルギーの導入が進められています。金融庁では「企業内容等の開示に関する内閣府令」の改正に伴い、有価証券報告書において「サステナビリティに関する考え方及び取組」に関する項目の追加を求めています。

サステナビリティ開示へのニーズが高まる

原則として、金融商品取引所に上場されている有価証券、店頭登録されている有価証券などの発行者は、事業年度ごとに有価証券報告書を提出しなければなりません。金融庁では、投資家が十分に投資判断を行うことができるよう、各種開示書類の提出を発行者に義務づけています。そして、日本の経済社会におけるサステナビリティの重要性を高まったことを背景に、2022年3月以後に終了する事業年度にかかわる有価証券報告書等から、サステナビリティ情報の開示が求められるようになりました。投資分析や意思決定にESG(環境=Environment・社会=Social・ガバナンス=Governance)の視点を取り入れる投資家も増えており、事業活動における温室効果ガス削減の取り組みを重視する企業は増えていくと考えられています。

温室効果ガス(GHG)排出量に対する開示について

有価証券報告書に記載されるサステナビリティ情報については、「記述情報の開示に関する原則」という別添があり、温室効果ガス(GHG)の排出量が投資家と企業の建設的な対話に資する有効な指標となっている状況を鑑みて、特にスコープ1(事業者自らによる直接排出)、スコープ2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)の温室効果ガス排出量を積極的に開示することが期待されています。

スコープ3開示義務化の動き

国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、2023年6月に企業がESGなどの情報開示を行う際の国際基準として、スコープ3(自社の事業活動に関連する、他事業者や製品の使用者による間接的排出)を含めた情報開示義務化を決定しました。今回の開示義務化によって、上場企業にとっては取引先などサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量の開示を求められることがスタンダードになり、日本の企業もこの流れに沿って、サプライチェーン全体での温室効果ガスの削減に向けた取り組みが求められます。

スコープ1・2・3とは?

サプライチェーン全体で温室効果ガスの排出削減に取り組むためには、事業活動を行う上での調達・製造・販売・消費・廃棄といったライフサイクル全体の排出量を把握し、それぞれのプロセスで適切な対策を打つことが大切です。サプライチェーンを通じた排出量の「ものさし」として、「スコープ1・2・3」という分類方法があります。それぞれをわかりやすく解説します。

スコープ1とは

スコープ1とは、燃料の燃焼や製品の製造などを通じて企業が直接排出する温室効果ガスの排出量のことを指します。例えば、発電機や焼却炉を事業活動で使用するメーカーなどは、石油や石炭などの化石燃料を燃やす際に温室効果ガスを排出します。燃焼して製品を製造・加工したり、そのプロセスに熱エネルギーを使用したりする場合が該当します。

スコープ2とは

スコープ2とは、他社から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出を指します。オフィスビルで使用している電気は、社外の電力会社から購入したものになりますが、購入している電気が火力発電などで作られている場合は温室効果ガスを排出していることになります。社外でCO2が排出されているものがScope2に該当します。スコープ1とスコープ2は、自社の事業活動を通じて排出している温室効果ガスを対象としています。

スコープ3とは

スコープ1・2が自社内での温室効果ガスの排出量に比べて、スコープ3は自社以外のサプライチェーンにおける排出量を指します。メーカーなどがモノやサービスを販売する際には原材料を仕入れ、販売した製品を消費者に届けるために製品の輸送・配送を行います。製品が消費者の手元に届いた後の使用、廃棄にいたるまでの間に排出される温室効果ガスを対象としています。

サプライチェーン排出量が求められる理由

スコープ1・2の排出量に加えて、スコープ3の排出量を算定したものを「サプライチェーン排出量」といいます。バリューチェーンがグローバルに広がる中、温室効果ガス排出量の算定・報告・管理(炭素会計)の必要性が高まり、多くの企業でサプライチェーン全体における温室効果ガス排出量の算定を開始しています。投資家が投資先企業に排出量の算定・管理・報告を要求することも珍しくなくなった一方で、企業は自社が関係する排出量のさらなる削減を目指して、自社のサプライヤーに対して排出量の詳細な報告を求める動きも見られます。温室効果ガスの排出量開示の流れはまだ始まったばかりとはいえ、今後開示報告に関する様々な規則や法律、行政命令、基準、ガイドラインの整備が見込まれ、多くの企業を対象にスコープ3排出量の報告が義務化されることになるでしょう。

CCG HONANDOのスコープ3への貢献に関する取り組み

スコープ3は15のカテゴリに分類されており、印刷会社であるCCG HONANDOは、カテゴリ1(購入した製品・サービス)に該当します。企業にとって、カテゴリ1の排出量を削減するには他社との協力が不可欠ですが、CCG HONANDOの印刷工場はゼロカーボン工場のため、製造時に排出する温室効果ガスはゼロ。つまり、原料調達においてCO2削減に貢献することができます。大阪本社も再生可能エネルギーを使用しており、営業車や輸送トラックのガソリンから排出されるCO2は二酸化炭素排出権(クレジット)を購入しているため、ゼロになっています。

まとめ

今回は、「温室効果ガスの開示」に焦点を当て、CCG HONANDOのスコープ3への貢献に関する取り組みを解説しました。CCG HONANDOは2023年10月に日本サスティナブル印刷協会に入会し、カーボンゼロプリント工場として認定されました。算定したCO2排出量をすべてカーボンオフセットした印刷物には、カーボンニュートラルプリントマークを表示することも可能です。「印刷会社」という枠を超えて、環境や時代に即した取り組みを続けながら新たな付加価値を提供していく、「印刷サービス企業」を目指して挑戦を続けていきます。

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