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2022.12.23

特殊な効果を生み出す印刷って?特殊インキの種類を解説!

「通常の印刷物とは異なるインパクトのある印刷物を作りたい」という方も多いのではないでしょうか。印刷物は、Webサイトと違って手に取ることで広告効果を発揮するツールです。見る人の視覚や触覚を刺激することで、より強い印象を与え、競合商品・サービスとの差別化に活用することも可能です。今回は印刷物の訴求力を高める「特殊印刷用インキ」をピックアップ。通常の印刷で用いられるインキとの違いや、特殊印刷用インキの種類を解説します。

INDEX
特殊印刷用インキとは
特殊印刷用インキの種類
CCG HONANDOの特殊印刷用インキの事例
まとめ

特殊印刷用インキとは

「特殊印刷用インキ」とは、CMYKの4色から成る「プロセスインキ」や、色調を忠実に再現する「特色インキ」にはない、特殊効果を与えるインキのことを指します。特殊印刷用インキの種類は多岐にわたり、印刷時に磁性を与えるインキ、香りを放出するインキ、暗闇で発光するインキもあります。特殊印刷用インキは、平版印刷や凸版印刷の一種であるスクリーン印刷などで広く用いられていますが、その使用量は決して多くありません。しかしながら、プロセスインキや特色インキよりも付加価値の高い印刷物を製造することができます。

通常印刷用インキとの違い

「通常印刷用のインキ」とは、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック・スミ)の4色で印刷するインキのことです。この4色の組み合わせは「プロセスカラー」と呼ばれ、およそすべての色を表現できます。「特色」と呼ばれるインキも通常印刷用のインキに含まれます。前述したプロセスカラーでは表現できない色を表現できるのが特徴で、特定の色をより忠実に表現する際に使われます。DICカラーやPANTONEカラーといった特色インキが有名で、一度は使ったことのある人も多いと思います。これら通常のインキでは得ることのできない仕上がりと、特殊機能を持ったインキのことを「特殊印刷用インキ(機能性インキ)」と呼びます。

特殊印刷用インキの種類

特殊印刷用インキの種類はさまざまで、シーンに応じて使い分けることで訴求力の高い印刷物を作ることができます。ここからは特殊機能を持ったインキを取り上げて、そのインキの特徴を解説。それぞれのインキにおすすめの製品も紹介します。

種類①パールインキとおすすめの製品

パールインキとは、「パール(真珠)」という名前の通り、淡い色合いと柔らかい輝きが特徴の特殊インキです。見る角度によって反射具合が異なり、人の目を惹きつける効果があります。インキに含まれているパール顔料は、天然鉱物・雲母をベースとして金属酸化物の薄い層をコーティングしたものです。 パールインキを使った製品として、もっとも有名なのは紙幣です。紙幣を傾けると、角度によって文字や模様が浮かびあがって見えますが、これもパールインキの効果。偽造防止技術として用いられることが多く、金券やクーポン券にも使われています。

種類②示温インキとおすすめの製品

示温インキとは、設定された温度で色が変化するインキのこと。印刷面に手を当てると文字が消えたり、反対に温度が下がると文字が浮かびあがったりします。例えば冷酒の“飲みごろ”や、チョコレートの“食べごろ”を表現することも可能ですし、印刷面を温めることで下地が現れてくる機能を活用して、クイズ(問題)の答えの部分に示温インキを使用すれば知育教材として使うことも可能です。ほかにも冷蔵品を輸送する際の品質管理や、熱を持つ設備の点検・保守など幅広い用途で利用されています。

種類③耐光インキとおすすめの製品

耐光インキは、通常のインキよりも太陽光(紫外線)に強く、退色の影響を受けにくいインキです。太陽や蛍光灯などの紫外線が当たる屋外用ポスターや、選挙用ポスターには必ずといっていいほどこのインキが用いられています。また、家電や自動車関係のシールラベル、薬品・化粧品パッケージに使われるケースも多いです。

耐光インキには退色しにくい特殊な顔料が含まれており、耐光性が強まるというメリットの一方で、通常のインキに比べて鮮やかさが低下するといったデメリットもあります。余談ですが、プロセスカラーのなかでY(イエロー)とM(マゼンダ)は光に対する強度が低いため、ほかのカラーに比べて鮮やかな発色が続きます。

種類④蛍光インキとおすすめの製品

蛍光インキとは、蛍光染料を粉末状にしたインキのことです。色相はイエロー・オレンジ・ピンク・マゼンタ・グリーン・シアンと幅広く、通常インキと比べて明るく鮮やかに発色するのが特徴です。明度・彩度ともにインパクトの大きい蛍光インキですが、印刷物に使用する場合は注意が必要です。このインキはプロセスインキに比べて濃度が低く、通常のインキと同じ濃度にするには何度か重ねて印刷する必要があります。また、ほかのインキと刷り重なった場合、下地の色がぼけてしまうため注意しましょう。

蛍光インキをカタログ、ポスター、週刊誌、月刊誌の表紙に使うと、ぐっと目を引くデザインに仕上がります。ただし、蛍光インキの耐光性は高くないため、屋外で使用するポスターには向いていません。

種類⑤磁性インキとおすすめの製品

磁性インキは鉄の粒子を含んだ印刷インキのこと。このインキを使用して印刷された記号や文字には磁気が含まれるため、磁気検出器で確認できるようになります。紙幣、小切手、キャッシュカード、IDカード、小切手、手形には磁性インキが用いられており、偽造防止や情報の書き込みに貢献しています。

例えば小切手の一番下には数字が記載されていますが、これも磁性インキを使った印刷です。また、切符の裏面や駐車券の黒い帯部分には使用する磁性インキと同色の色を下刷りすることで、磁性印刷部分が簡単に目視できないようにして不正利用を防いでいます。

種類⑥リサイクル対応型とおすすめの製品

「リサイクル対応型印刷物」という言葉を聞いたことがありますか。これはリサイクルを妨げない資材のみで作った印刷物のことを指します。リサイクル対応型印刷物を作ると古紙の品質が向上し、リサイクルがしやすくなるというメリットがあります。リサイクル対応型のUVインキとドライトナーを使って印刷すると、「古紙リサイクル適正ランクリスト」のランクAと認定され、印刷用の紙や板紙へのリサイクルが可能になります。

リサイクル対応型印刷物として推奨されるのは①使用期間が短い②発行部数が多い③用紙使用料が多い④仕様が定型化している印刷物。雑誌、フリーマガジン、教科書、ドリルなどが該当します。

種類⑦オフセット用インキとおすすめの製品

一般的なオフセット用インキは、着色剤とビヒクル(着色剤を紙に定着させるための溶剤)から作られます。この着色剤に細かい金属粉を使うと金や銀のインキになります。「金属粉」といっても金粉や銀粉ではなく、金インキには真鍮(銅と亜鉛の合金)、銀インキにはアルミニウムを使用します。金属のような光沢を表現でき、見た目も華やかに仕上がりますが、通常のインキよりも汚れが目立ちやすく、また耐摩性で劣るといった短所もあります。

金・銀インキは、印刷物に特別感や高級感をもたらすことができるため、クリスマスシーズンやお正月シーズンの印刷物とは切っても切れない関係にあります。また、トレーディングカードにも金・銀インキが使われており、希少性を高める際に重宝するインキです。

種類⑧芳香(香料)インキとおすすめの製品

芳香インキとは、香料を閉じ込めたマイクロカプセルを含むインキのこと。印刷物の表面を指などで軽くこするとマイクロカプセルが割れ、香りが放出されるという仕組みです。香りの種類もさまざまで、花や果物、植物などから好きな芳香インキを選ぶことができます。

香りは記憶に残りやすいため、DMやチラシ、ハガキ、ショップカードなどの販促グッズに最適。特に製品やサービスのイメージを思い起こさせるような香りを選ぶことで、高い販促効果が期待できます。芳香剤や香水といった香りのある商品の店頭サンプルや、香り付きのポストカードや名刺の作成、DMに貼るシールのギミックなどに採用されることもあります。加工中や配送中にカプセルが割れない限り、香りは長持ちするため、保管されることの多い名刺などにもおすすめです。

CCG HONANDOの特殊印刷用インキの事例

CCG HONANDOでは、特殊印刷用インキに関するご依頼・ご相談を多くいただいています。インキをご指定いただくケースも増えており、屋外で使用するポスターでは耐光インキを、集客を高めるDMには蛍光インキというように、シーンに合わせた印刷を得意としています。高級スイーツブランドのリーフレットでは、金・銀インキを使ってブランドイメージに合った印刷物を作りました。実績も多く、さまざまな特殊印刷用インキを用意しているため、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

通常のプロセスカラー(CMYK)では表現できない、印刷物に付加価値を与える特殊印刷用インキ。その種類や用途を具体的にイメージいただけたのではないでしょうか。使ってみたい、気になる特殊印刷用インキがございましたら、お気軽にお問い合わせください。当社が手がけた実績やサンプルをお見せしながら、お客様のご要望やイメージに合ったインキをご提案します。特殊インキを使った印刷物を製作する場合は、CCG HONANDOにご相談ください。

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