Journal

2022.10.27

特殊紙ってどんな印刷用紙?種類や特徴を解説!

印刷用紙を選ぶときに見かける「特殊紙」という言葉。マット紙やコート紙のような表面加工した用紙ではなく、紙自体に繊維が入っていたり、キラキラとしたラメが入っていたりする紙のことを特殊紙と呼びます。コピー用紙と違って頻繁に使われる紙ではありませんが、効果的に使うことでインパクトのある紙製品を作ることができます。今回は特殊紙を取り上げ、その種類や使用するメリット・デメリット、特殊紙におすすめの用途・紙製品を解説します。

INDEX
特殊紙とは
特殊紙の種類9選
特殊紙を使用するメリット・デメリット
特殊紙を使う際におすすめの用途・印刷製品
CCG HONANDOが行なっている特殊紙の印刷
CCG HONANDOは環境に配慮した特殊紙をご提案

特殊紙とは

一般的に、印刷用紙はコート紙・マット紙・上質紙・特殊紙の4種類に分類されます(コート紙・マット紙・上質紙の特徴は別の記事を参照ください)。大まかに言うと、コート紙・マット紙・上質紙以外の用紙が特殊紙。特殊紙にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴も異なりますが、凹凸加工やキラキラした塗工など、ほかに類を見ない質感や風合い、色合いを持っています。

特殊紙の種類9選

各製紙会社(製紙メーカー)が独自の技術を生かして、さまざまな色数や手触り、機能を持った特殊紙を販売しています。ここでは数ある特殊紙のなかから、厳選した9種類を紹介します。手触りや質感は文章だけでは伝えきれないため、少しでも興味がございましたら、お気軽にCCG HONANDOにお問い合わせください。

①コートボール紙

コートボール紙は、パッケージやケースなどを作成する際に使用される厚紙のひとつ。表面は平滑性のある白に塗工されているため、フルカラー印刷にも適していますが、裏面はざらつきのある灰色になっており、印刷には適していません。表面を保護するために、光沢のあるプレスコートを施してつやつやに仕上げることもあります。コートボール紙は日用雑貨、テッシュケース、ラップケースなど、さまざまな紙器に用いられています。

②マーメイド紙

ざらっとした質感とやさしい雰囲気、さざ波のような凹凸感が特徴の用紙です。工作や画材、カード、書籍の装丁など、私たちの身近なところで広く親しまれています。また、カラーのバリエーションも豊富で、白をベースにした用紙だけでも「マーメイド白」「マーメイドスノーホワイト(白色度の強い白)」「マーメイドナチュラル(少し黄色がかった白)」などがあり、名前と色を眺めるだけでも楽しめます。

③キャストコート紙(ミラーコート)

全体に鏡面のようなツヤと光沢があり、高級感を演出できる印刷用紙です。発色に優れた素材で、写真などを使ったフルカラー印刷との相性も抜群。ポストカード、名刺、各種シールなどに多く使われています。また、厚みのある板紙のようなキャストコート紙は、紙袋やパッケージの用紙としても人気です。加工せずに光沢を出すことができますが、表面にキズがつくと目立ちやすいという欠点もあります。

④ユポ紙

ユポ紙は、紙の持つ「しなやかさ・筆記性」と、プラスチックフィルムの持つ「耐水性・耐久性」を併せ持つ合成紙です。主原料はポリプロピレンと無機充填材で、一般的な用紙の主原料である木材パルプは使用しません。水や油に強く、破れにくいといった利点があるため、選挙ポスターや投票用紙、飲食店のメニュー、POPなどに使われています。長期間の保存にも適していますが、紙を積む際は平にして保管しなければなりません。曲げたままにしておくと、紙ぐせや折り目がつくため注意しましょう。

⑤タント紙

タント(tanto)とは、イタリア語で「たくさん」の意味を持つ言葉。全200色もの豊富なカラーバリエーションであることから、その名前がつけられました。きめ細かな凹凸のあるエンボス加工が特徴で、質感はやわらかく、ぬくもりを感じさせる用紙です。封筒やカレンダー、カタログ、名刺、ペーパークラフト、封筒、案内状など、あらゆるシーンで使用可能。凹凸がある用紙ですが、印刷精細や発色も問題ありません。上品さや高級感を演出したいという場合におすすめです。

⑥ミランダ紙

宝石のようにキラキラと輝くラメを散りばめたファインペーパーです。光の当たり方や見る角度によって上品に輝く高級感が特徴で、ブライダルや化粧品の包装などに使用されている特殊紙です。絵柄や色が濃くなるとその部分はラメが薄くなるため、できる限り印刷面を少なくしたり、淡い色を置いたりして、紙の素材を生かしたデザインに仕上げましょう。

⑦ヴァンヌーボ紙

さりげない凹凸感のある手触りと、自然な風合いが特徴の高級印刷用紙。高い印刷適性を併せ持ち、インキが載るとニュアンスのある光沢感を作り出し、表情豊かな仕上がりになります。また、用紙の中に空気を多く含むかさ高紙のため、軽いのに厚みのある書籍を作ることができます。名刺から写真集や画集、レターヘッドや封筒などのステーショナリー、製品カタログなど、高級感を求められる印刷物に適した用紙です。

⑧シープスキン紙

「シープスキン」という名前がついているように、羊の皮をなめして作った羊皮紙の風合いを再現した印刷用紙です。薄いまだら模様が入った雰囲気ある半透明の用紙で、洋風の古き良き高級感を感じさせます。半透明という特徴を生かして、本の遊び紙(冊子の巻頭や巻末に挟む印刷のない紙)として使用すると、ぼんやりと下の絵柄が見えてより印象的な仕上がりになります。

⑨グラシン紙

独特のシャリシャリした感触と透け感が印象的なグラシン紙。紙の原料であるパルプを機械ですりつぶした後に、プレス機器で薄くプレスして作ります。書籍の日焼け防止カバーや空気で膨らむ紙風船、ケーキの型紙、包装紙にもグラシン紙が使われています。表面がツルツルしているため、筆記用には向いていませんが、油性ペンや水性インクを使えば文字を書くことも可能です。

特殊紙を使用するメリット・デメリット

インパクトのある紙製品を作れるというメリットがある一方で、一般的な印刷用紙と比べるとコストが高く、また印刷加工や印刷できる印刷機が限られるというデメリットもあります。特殊紙を使用するメリット・デメリットを把握して、最適な用紙を選びましょう。

特殊紙を使用するメリット

特殊紙を使用するメリットは、オリジナリティのある印刷物が簡単に作れるという点です。さまざまな製紙会社(製紙メーカー)が独自の特殊紙を製造しており、幅広い選択肢のなかから用途や雰囲気に合った特殊紙を選ぶことができるでしょう。例えば名刺ひとつとっても、どんな特殊紙を使うかによって、受け取る人の印象は大きく変わります。ビジネスシーンでは、ブランディングのため、また競合他社との差別化を図るために特殊紙を使うことも珍しくありません。

特殊紙を使用するデメリット

特殊紙を使用するデメリットは、何といっても用紙が高価であること。用紙そのものの価格に加えて、特殊紙を加工するには特別な印刷機が必要となるため、コート紙、マット紙、上質紙と比べると価格が数倍〜10倍以上になることも。大量生産する場合は、印刷会社に使用目的や思い描くイメージを相談したうえで、用紙を選ぶことをおすすめします。

特殊紙を使う際におすすめの用途・印刷製品

コロナ禍により非対面での打ち合わせやリモートワークが増え、これまで以上に「メッセージを伝えること」「メッセージの伝え方」が重要になっています。パンフレットや商品カタログに特殊紙を用いることで、商品やサービスに込めた想いも伝わりやすくなり、ポストカードやメッセージカードに特殊紙を使うことで、より手に取ってもらえる機会も増えるはずです。

CCG HONANDOが行なっている特殊紙の印刷

CCG HONANDOでは、特殊紙の印刷のご依頼を多くいただきます。はじめから銘柄が決まっているケースは少なく、「高級感を出したい」「上品な雰囲気に仕上げたい」というご要望をいただいたうえで、用紙を提案しています。例えば、和風イメージの製品の販促DMを作成したいというお客様に、和紙を洋紙にアレンジしたファンシーペーパーの「しこくてんれい」を提案したところ、実際に受注まで至りました。製品イメージと用紙の風合いがマッチしたことでお客様から好評をいただき、生まれた実績です。

CCG HONANDOは環境に配慮した特殊紙をご提案

特殊紙のなかには、環境に配慮した用紙もあります。例えば「竹紙」は、里山を荒らす竹を主原料とした特殊紙です。竹紙を100%使った「竹紙ナチュラル」を使うことで、環境保護と持続的発展に貢献できます。また、廃棄されるバナナの茎の繊維で作られた「バナナペーパー」は生産者の暮らしを支えることにつながります。CCG HONANDOではこうした環境にやさしい特殊紙を積極的に提案・使用しています。興味がある方はぜひご相談ください。

Contact

各種お問い合わせ / 印刷のお見積もり・ご相談など
ご不明点ございましたらこちらよりお問い合わせくださいませ

お問合せはこちら

Back List

share
  • faceBook
  • twitter
  • B!
  • share

Latest Journal最新のコラム

Contact

各種お問い合わせ
/ 印刷のお見積もり・ご相談など
ご不明点ございましたら
下記よりお問い合わせくださいませ