中綴じとは?ページ数の少ない冊子印刷に最適な製本方法
一枚一枚の印刷物を冊子に仕上げる製本にはいくつもの種類があります。今回クローズアップする「中綴じ」は、週刊誌や情報誌などによく使われ、皆さんにとても馴染みがある製本方法です。そこで、中綴じのメリットやデメリットをはじめ、冊子を印刷する時に役立つ情報をお届けします。
2022.02.25
受験シーズンになると、電車やバスで参考書を読みながら通学している学生を見かけます。ページの端を折って印を付けていたり、使い込んだことで表紙から本文がごっそり取れてしまっていたり……。作り手側としては、毎日使う冊子だからこそ、読みやすく簡単に壊れないように制作したいものです。今回はそんな参考書や問題集にフォーカスを当て、作成時のポイントをお伝えします。
〈 INDEX 〉参考書や問題集は少なくとも1年以上は毎日手に取るものなので、ある程度の頑丈さが求められます。また、何冊もカバンに入れて持ち運ぶことがあるため、なるべく重くならないようにしたいところ。その場合に気を付けたいポイントが、製本方法や用紙の選択です。まずは、参考書や問題集の作成におけるスタンダードな製本方法を2種類ご説明します。
中綴じ製本とは、印刷した用紙を重ねて中心で二つ折りにし、折っている部分を針金や糸で綴じる方法です。用紙の中心部分で綴じているため、冊子の根本から無理なくページを開くことができます。冊子の外側から内側に針金を打ち込むのが一般的で、この場合は「針金綴じ」とも呼ばれます。ページ数の少ない小冊子やカタログ、週刊誌などに採用されている製本方法です。糸で綴じる場合にはミシンが使われるため「ミシン綴じ」と呼ばれ、ノートや絵本などによく採用されています。
一枚一枚の印刷物を冊子に仕上げる製本にはいくつもの種類があります。今回クローズアップする「中綴じ」は、週刊誌や情報誌などによく使われ、皆さんにとても馴染みがある製本方法です。そこで、中綴じのメリットやデメリットをはじめ、冊子を印刷する時に役立つ情報をお届けします。
無線綴じ製本とは、本文が書かれた紙を1枚ずつページ順に重ね、背の部分に接着剤を付け、最後に表紙でくるむ製本方法です。線(ホチキスや糸)を使わずに綴じることから、無線綴じと呼ばれます。無線綴じは接着剤を付けるために一定の厚みが必要となるため、ページ数が少ないと製本ができません。その代わり、根本の接着剤部分の強度が強く、バラバラになりにくいのが特徴です。ある程度ページ数が多く強度を求める場合、無線綴じ製本がおすすめです。
冊子の製本方法には、「中綴じ」や「糸綴じ」などいくつもの綴じ方がありますが、今回は「無線綴じ(くるみ製本、くるみ綴じ)」をピックアップ。無線綴じは、文庫本や参考書、カタログといったさまざまな冊子に使用されている製本方法で、皆さんがお持ちの本をはじめ、書店でも見かけたことがあると思います。そんな無線綴じの特徴からメリット・デメリットまで詳しく解説します
参考書や問題集のように学習するシーンで使う冊子は、メモを書き込んだり問題の解答を記入したりするものがほとんどです。そういった冊子の本文には、筆記性の高い用紙を選ぶことをおすすめします。表面がコーティングされている「コート紙」より、何も塗られていない「上質紙」のほうが書き込みに向いています。使用されるシーンを想像して用紙を選ぶことが重要です。
上質紙とは、表面をコーティングしていない、光沢やツヤのない化学パルプ配合率100%の用紙です。コート紙やマット紙に比べて印刷の発色は劣りますが、白色度が非常に高く、高級感のある落ち着いた仕上がりになります。会社案内や報告書のように本文がモノクロ印刷された冊子のほか、視認性が高いことから写真の点数が少なく文章がメインの冊子、ページ数が多い冊子などの本文ページとして適した用紙です。
印刷用紙にはさまざまな種類があり、用紙によって特徴も異なるため、用途に合った用紙を選ぶことが大切です。今回は、数ある用紙のなかで、最もポピュラーな「上質紙」をピックアップ。上質紙の特徴や他の用紙との違い、上質紙を使用した印刷物の事例について詳しく解説していきます。
コート紙とは、表面を塗料でコーティングし、光沢やなめらかさを高めた用紙です。人の目を引く効果があるため、チラシやポスター、リーフレットといった商業用の印刷物に多く活用されています。表面がなめらかなためインクののりが非常に良く、写真集のように高度な再現性が求められるカラー印刷物に最適です。上質紙と変わらず比較的低コストであるため、ページ数が多くても価格を抑えることができます。
マット紙とは、表面にマット系の塗料を塗って光沢を抑えた用紙です。表面がツヤツヤしていないため目にやさしく、落ち着きのある上品な印象を与えることができます。サラッとした質感で気品ある雰囲気を持たせられるため、美術館や演奏会などの案内状に使われることも。また、写真が発色良く印刷されるコート紙と比べると、マット紙は多少色が沈むため、落ち着いた味のある写真に仕上がります。
参考書や問題集のサイズは、内容によりますが、机に広げたり持ち運んだりする時のことを考えると、大きいものはあまり好まれないでしょう。教科書やノートを基準に同じサイズにしてみたり、はたまたそれより小さくコンパクトなサイズにしてみたり、重要視するポイントを絞ってサイズを決めることをおすすめします。
A4サイズは最も一般的なサイズです。近年は拡大教科書が普及し、それまで一般的だったB5判とあわせてA4判が採用されるようになりました。参考書や問題集も、同じA4サイズが増えてきています。A4サイズのメリットは、情報量・見やすさ・サイズのバランスが良いこと。一般的なサイズなのでイメージしやすく、保管時にも好都合です。ただし意外と幅をとるため、持ち運びにはやや不便かもしれません。
A5サイズはA4サイズの半分の大きさです。教科書をはじめとする学習用の冊子に用いられることが多く、少し前まではほとんどの教科書にA5判が用いられていたため、学生にはなじみのあるサイズ感といえるでしょう。学習用の冊子以外にも、ガイドブックや文芸誌など多くの冊子にB5サイズが採用されています。絵や図などのビジュアルを大きめに載せやすく、見開きにするとA4サイズなので場所を取ることもありません。カバンに入れやすく持ち運びに便利なサイズです。
B4サイズはここでご紹介するサイズのなかで最も大きく、主に画集やグラフ冊子などに用いられています。大きい冊子であるため、写真をメインに載せる資料集や地図帳を作成する際に好まれます。B4サイズの紙面いっぱいにパノラマ写真やイラストを掲載すれば、インパクトのあるページができあがり、写真に入り込んだような臨場感を演出することも可能。ただし、大きいため持ち運びには適さないというデメリットもあります。
B5サイズはA4サイズよりやや小さいですが、他の冊子と比べても小さすぎないサイズです。一般的には、雑誌や週刊誌、コミック本、書籍などによく採用されています。かさばりすぎず持ち運びやすいため、参考書や問題集に適したサイズといえるでしょう。手になじみやすいサイズでありながら、イラストや大きな見出しを使う冊子に合っているサイズです。必要以上にサイズを大きくしなくとも、十分にインパクトのある冊子を作成することができます。
参考書や問題集を作成する際、さまざまなオプションがあります。今回は「遊び紙」「穴あけ」「片袖折り」の3種類を取り上げますが、「汚れが付きにくくしたい」「穴を開けずに収納しやすくしたい」といったご要望があれば、他の加工方法もご提案いたします。
遊び紙とは、巻頭や巻末に挟み込む紙のことです。紙を挟むだけではありますが、本の内容に合わせた遊び紙を使用することで、雰囲気を持たせられ、高級感を演出できます。遊び紙には、本文の用紙とは異なる用紙を使用するのが一般的で、選べる用紙の種類は印刷所によって若干異なります。遊び紙は本文のページ数には含まず、本文とは別計算で印刷費を計算します。
穴あけとは、冊子の綴じ側にパンチ穴を開ける加工です。バインダーやファイルの標準的な綴じ位置に80mm間隔で2つの穴をあけるため、ファイリングして整理・保存したい教材に適しています。注意点としては、穴の位置に文字や図版がレイアウトされていると、仕上がり時に穴の部分が欠けてしまいます。欠けてはならない要素は、穴の位置にかぶらないように配置しましょう。
片袖折りとは、用紙をZ型に折って本の中に挟み込む加工方法で、Z折とも呼ばれます。主に無線綴じ製本で作成された本や冊子に採用されています。片袖折りには、B5サイズの本ならB4サイズの用紙、A4サイズの本ならA3サイズの用紙が使われます。紙面を大きく使ったほうが見やすい地図や年表、細かい文字が多い図表などを片袖折りで作成すると、広げた時に途切れることなく一覧で見ることができます。
作成したい参考書や問題集の仕様に適した製本方法や用紙を選択しても、印刷するデータに不備があっては希望通りの仕上がりにはなりません。例えば、綴じ方向の確認は忘れてはならないポイントです。表紙の左側と右側のどちらを綴じるのか、必ず確認しましょう。また、断裁の工程でわずかにズレが生じることがあります。欠けてはならない文字やデザインは、仕上がり位置よりも3mm以上内側へ配置します。そのうえで、無線綴じ製本の場合はページを完全に開ききれないため、綴じ部分から10mm以上離してレイアウトしておくことをおすすめします。
CCG HONANDOでは、参考書や問題集の印刷・製本のご依頼をいただくことが多々あります。小学生向けのドリルから高校生が使う入試対策問題集まで、その種類はさまざまです。今回ご紹介した無線綴じや中綴じのほか、あじろ綴じと呼ばれる製本方法で仕上げることもあります。あじろ綴じは無線綴じの一種で、本文の背の部分に入れた切り込みに糊を浸透させて接着します。通常の無線綴じよりも強度が増すため、参考書や問題集の作成時に好まれる製本方法です。
冊子の製本方法には、「中綴じ」や「糸綴じ」などいくつもの綴じ方がありますが、今回は「無線綴じ(くるみ製本、くるみ綴じ)」をピックアップ。無線綴じは、文庫本や参考書、カタログといったさまざまな冊子に使用されている製本方法で、皆さんがお持ちの本をはじめ、書店でも見かけたことがあると思います。そんな無線綴じの特徴からメリット・デメリットまで詳しく解説します。
今回は、参考書や問題集の作成について詳しくご説明しました。普段何気なく手に取った時にはあまり気にしていなかった点も、実際に作成するとなれば重要なポイントになることをご理解いただけたのではないでしょうか。参考書や問題集の作成に少しでもご興味がありましたら、お見積もりだけでも対応いたします。ぜひお気軽にCCG HONANDOにご相談ください。
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