中綴じとは?ページ数の少ない冊子印刷に最適な製本方法
一枚一枚の印刷物を冊子に仕上げる製本にはいくつもの種類があります。今回クローズアップする「中綴じ」は、週刊誌や情報誌などによく使われ、皆さんにとても馴染みがある製本方法です。そこで、中綴じのメリットやデメリットをはじめ、冊子を印刷する時に役立つ情報をお届けします。
2021.01.29
冊子の製本方法には、「中綴じ」や「糸綴じ」などいくつもの綴じ方がありますが、今回は「無線綴じ(くるみ製本、くるみ綴じ)」をピックアップ。無線綴じは、文庫本や参考書、カタログといったさまざまな冊子に使用されている製本方法で、皆さんがお持ちの本をはじめ、書店でも見かけたことがあると思います。そんな無線綴じの特徴からメリット・デメリットまで詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
〈 INDEX 〉無線綴じでは、接着剤を使って背の部分を固めるため、冊子にある程度の厚みが必要です。また、無線綴じで製本した本は背表紙が付くことでしっかりとした直方体になり、中綴じと比べて耐久性が高まります。そのため、より頑丈なつくりを必要とする冊子に向いていて、普段よく目にするものでは、文庫本や参考書、カタログなどに採用されています。ほかに、報告書や記念誌といった商業用の印刷物にも幅広く利用されています。
無線綴じで製本するのに向いているのは、ページ数が偶数で60ページを超える冊子です。 見返しや扉などを装丁することで、より高級感のあるしっかりとしたつくりに仕上がります。一方、中綴じは、ページ数が少なくても製本ができますが、本文を針金やホチキスで綴じる都合上、ページ数は4の倍数である必要があります。中綴じでつくった冊子はページが180度開くため開いたページが閉じにくく、手を放しても扱いやすいのが特徴です。また、簡単なつくりで仕上がりが軽いため、店頭で設置・配布する資料に適しています。きちんとした印象の冊子には無線綴じ、カジュアルな印象の冊子には中綴じがおすすめです。
一枚一枚の印刷物を冊子に仕上げる製本にはいくつもの種類があります。今回クローズアップする「中綴じ」は、週刊誌や情報誌などによく使われ、皆さんにとても馴染みがある製本方法です。そこで、中綴じのメリットやデメリットをはじめ、冊子を印刷する時に役立つ情報をお届けします。
冊子のページ数や形状によって、製本方法には向き不向きがあります。それぞれのメリット・デメリットを把握したうえで、冊子の印刷を検討することが大切です。次から、無線綴じの主なメリットを4つご紹介します。前述の通り、無線綴じは製本用の接着剤で固めて製本するため、つくりが頑丈です。背表紙に文字を入れられるので、保存性を求める冊子に適しています。また、中綴じのようにページ数が4の倍数でなくても製本ができるため自由度が高く、ページ数が多くても製本が可能です。
針金やホチキスで綴じる中綴じや平綴じとの最大の違いは、無線綴じは特殊な接着剤で固めて製本するということです。無線綴じで製本した冊子の背は平たく整えられ、背表紙が付くことでタイトルを入れることもできます。一気に本らしくなり、高級感が出て見栄えよく仕上がります。また、平積みにしても崩れにくく、横からタイトルを確認できて便利です。無線綴じでは、背に溝を入れる「ガリ」という工程があり、冊子に接着剤を浸透させます。こうすることで強度が高まり、耐久性にすぐれた長期保存が可能な本になるのです。
文庫本やコミックスなど、書店の本棚に並ぶ本の多くには背表紙が付いています。背表紙は、中綴じにはない無線綴じならではの特徴です。無線綴じは、ある程度の厚みやページ数があれば背幅が広がるため、背表紙にタイトルや著者名を印字することができます。立てて並べた時に本を探しやすく、整理しやすくなるのもメリット。シリーズでつくる冊子なら、なおさら背表紙に印字しておきたいものです。しかし、背幅が狭すぎると文字が折れたり、わずかに表紙に回り込んだりすることもあるため、背表紙に印字する場合は60ページ以上の厚さが必要です。
無線綴じは特殊な接着剤で本文を固めて製本するため、中綴じのように4の倍数のページ数でなくても製本が可能です。また、ページ数が多いからといって特別な制約が生まれることは少なく、求める仕様に沿って製本することができます。
100ページを超える冊子でも問題なく製本できるのが、無線綴じならではのメリットのひとつです。中綴じや平綴じは針金やホチキスで綴じるため、ページ数が多いものは構造上つくれないのです。無線綴じではページ数が増えるほど背幅が広くなり、テキストや模様、イラストなどを背表紙に入れられます。デザインの選択肢が増えるため、見た目の印象をがらりと変えることも可能。扉や見返しなどの装丁も組み合わせると、より表現力豊かな一冊が完成します。
無線綴じには、いろいろなメリットがある一方でデメリットもあります。ここでは主なデメリットを3つご紹介しますので、メリットと合わせて、無線綴じによる冊子作成を検討する際の参考にしてみてください。まずは、中綴じと比べると値段が少し高くなること、ページ数が少ない冊子には不向きであることが挙げられます。また、接着剤でしっかりと接着させて製本するという冊子の仕様上、見開きの絵柄や写真などをページいっぱいに開くことができません。それぞれのポイントについて、次から詳しくご説明します。
無線綴じは、背表紙があることでしっかりとした見た目と高級感のある仕上がりになります。強度を高めるために複雑な工程が必要になることから、中綴じより若干コストと納期がかかります。無線綴じを採用する時には、どのような用途で使われるものか、どれくらいの使用期間や保存期間を求めるかなど、目的や要望を明確にしておくとよいでしょう。
本文のページ数が少なく本文の厚みがないと、背の幅が小さくなり、無線綴じで製本することが難しくなります。あまりに背の幅が小さい場合、背に塗布できる接着剤の量が極端に少なくなり、綴じが不安定になったり、ページが取れやすくなったりする場合があります。無線綴じで冊子をつくるなら、60ページ以上がおすすめです。
無線綴じでは背の部分に接着剤を付けて固めるため、中綴じに比べると中央のノド部分まできれいに見開くことができません。また、写真やイラストを見開きで配置したり、ページのギリギリまで文字を配置したりすると、読みづらくなってしまいます。絵本や地図などを無線綴じでつくる場合は、見開き全体でデザインを考え、入稿データのノド部分に重要な図や文字を置かないようにする工夫が必要です。
背表紙のある無線綴じの冊子は、書店で平積みにされていたり本棚に並べられていたりと、皆さんにもおなじみのものが多いでしょう。文庫本や小説、雑誌はもちろん、カタログやパンフレット、ノートなどにも無線綴じがよく使われています。また、論文集や学術誌、教科書や参考書といったジャンルでも無線綴じによる冊子が多いのが特徴です。見た目が美しく、それでいて丈夫で長期保管ができる無線綴じは、さまざまな冊子に用いられています。
無線綴じで製本を行なう時には、加工にかかる日数を確認しておくことが必要です。ハガキや見返しなどが付く場合には加工にかかる日数が変わってくるので、事前に確認しておきましょう。また、無線綴じでは特殊な接着剤を使って製本をするため、高温多湿の場所で長期間保管すると接着剤が剥がれる場合があります。夏場の蒸し暑い時季には特に注意が必要です。ほかに、誌面のデザインをする時や印刷用の入稿データを入稿する時にも、注意すべきポイントがあります。
無線綴じの冊子の入稿データを作成する時は、ノドの余白に注意しておきましょう。ノドとは、見開きの中央にある綴じ部分の余白のことです。無線綴じは、本文の束の背を表紙用紙でくるみ、糊着剤で固める製本方法であることから、どうしてもノドが数ミリ単位で綴じ込まれてしまいます。中綴じと比べてノドの隠れる範囲が広くなるため、無線綴じで冊子をつくる場合の入稿データは、ノドの綴じ込みを考慮した余白の設計が重要になります。
無線綴じは、製本の特性上「背」が必要です。背幅は用紙の厚さとページ数によって変わりますが、表紙データを作成する時は、背幅を含めた見開きサイズで用意するようにしてください。また、製本時にわずかなズレが生じてしまうことがあるため、背・表紙・裏表紙がはっきりと分かれるデザインは、なるべく避けるのが無難です。背幅の目安は、【(表紙の厚さ×2)+(本文の厚さ×ページ数÷2)=背幅(mm)】で計算することができます。
ここまで、無線綴じの特徴やメリット・デメリットなどについて詳しくご紹介してきました。無線綴じについてさらに理解を深めていただくために、お客様からよく寄せられる疑問を2つピックアップしました。
無線綴じとあじろ綴じは同じ製本方法だと思われがちですが、構造上の違いがあります。 無線綴じは、折り丁の背面部分を切り取ってからページをバラバラに切り離し、露出した紙の断面部分に接着剤を塗布して固めることでそれぞれのページをつなぎます。
一方あじろ綴じは、折り丁の背面部分に15mmほどの切り込みを入れ、5㎜程度のミシン刃を入れます。そして、15mmの開口部分、開口部分との間に5mmほどのつなぎ部分を残しておきます。あじろ綴じは、それぞれのページと対になるページがつながっていて、これこそが無線綴じとの違いです。この状態で開口部分から接着剤を中折りの段階まで押し込み、それぞれのページをつなぎとめるため、そもそも構造上の違いがあります。万が一、接着部分が剥がれたり解離したりしてしまった時のことを考えると、あじろ綴じのほうが強度は高いといえます。使用しているうちにバラバラになってしまうこともありません。
冊子の製本方法には、「中綴じ」や「糸綴じ」などいくつもの綴じ方がありますが、今回は「無線綴じ(くるみ製本、くるみ綴じ)」をピックアップ。無線綴じは、文庫本や参考書、カタログといったさまざまな冊子に使用されている製本方法で、皆さんがお持ちの本をはじめ、書店でも見かけたことがあると思います。そんな無線綴じの特徴からメリット・デメリットまで詳しく解説します。
背の部分に接着剤を付けて固める無線綴じでは、ページの中央部分まで完全に開くことができません。そのため、綴じ側にあたるノドの部分に余白を持たせておきます。この部分には、重要な文字や写真などを置かないように注意しましょう。冊子のページ数や紙の厚みにもよりますが、一般的に15mmから20mmの余白を持たせておくとよいといわれています。
ページの左右にわたって写真を見開きで使うと、誌面をダイナミックに演出できます。写真はノドのギリギリまで入れても問題ありませんが、製本すると端が見えなくなってしまいます。そのため、左右それぞれのページで、写真を小口(本を開いた特に外側にくる部分)側に数mmずらしておきます。また、メインの被写体や重要な要素はノドから離すようにしましょう。
CCG HONANDOでは、製本工程をすべて自社工場内で管理・製造しております。乱丁・落丁による不良回避のために、インラインカメラや厚み検知機、員数機を導入。さらに、混入防止のためにカッターやハサミなどの刃物管理を徹底し、ミス防止のための作業手順を日々改善しています。これまで積み重ねてきた品質管理のノウハウと知見を生かしながら、お客様に満足していただけるベストな品質の印刷物をご提供しています。
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