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2023.01.31

表面加工とは?加工の種類やポイントをまとめて解説

DM、チラシ、パンフレットなどを作成する際に、「より目立つ販促物を作りたい」という方も多いのではないでしょうか。確かに、用紙を変えることで印刷物の質感を変えることもできますが、通常のCMYK(プロセスカラー)では限界もあります。そんな時に検討したいのが「表面加工」です。印刷した用紙に光沢感や凹凸感を加える加工もあり、目立つ印刷物を作りたい方にはぴったりです。今回は販促物に彩りを加える表面加工について解説します。表面加工の種類もまとめて紹介しますので、印刷する際の参考にしてください。

INDEX
表面加工とは
表面加工の種類
その他の表面加工の種類
CCG HONANDOの表面加工の印刷事例
まとめ

表面加工とは

「表面加工」とは、紙の表面にニスや光沢材、フィルムなどでコーティングを施し、印刷物の見栄えや強度を上げる加工のことです。表面加工の種類はさまざまで、なかには本物の金箔を押すことで、印刷物自体の個性を高めたり、高級感を演出したりするものもあります。また、コーティングするフィルムの種類によっては、耐水性を高めたり、強度を高めたりすることも可能です。印刷のみでは得られない、機能性や付加価値を高める加工方法が表面加工です。

表面加工の種類

表面加工には実に多くの種類があります。大別すると、紙の上にニスを塗布する加工、金属板やフィルムを転写する加工、フィルムを貼る加工、耐油性や耐水性を高めるビニール引き、印刷物に圧をかけるエンボス・箔押し加工に分けられます。印刷物に付加したい機能・効果によって加工方法は変わるため、ここで紹介する9種類の表面加工のポイントをしっかり押さえておきましょう。

ニス

印刷した後に上からニスでコーティングする表面加工です。ニスには表面に光沢を与えるグロスニス、光沢を抑えたマットニスがあります。印刷と同じラインで加工できるため、短納期かつ低コストで施すことができます。また強調したい部分だけにニスを引くなど、スポットでの加工も可能であることから、多くの印刷物に使われています。ラミネート加工やプレスコートと比べると、光沢感や耐久性の面では劣りますが、紙の質感をさほど損なわずに加工できるというメリットがあります。

OPニス加工とは?その特徴や加工の種類を解説

印刷を依頼する際に、加工オプションを検討している方も多いと思います。今回紹介するのは「OPニス加工」。“ニス”というと、木材用塗料のツヤツヤの透明な塗膜を想像する方もいるでしょう。印刷におけるニスにはいくつかの種類があり、ツヤツヤしたものはもちろん、光沢を抑えたマット調のものもあります。そんなOPニスを取り上げて、OPニス加工の特徴・種類について解説します。

プレスコート

プレスコートは、光沢コートと呼ばれる樹脂を塗布し、熱と圧を加えて鏡面光沢と平滑性を施す加工方法です。光沢や耐摩擦性に優れており、印刷物に高級感を与えることができます。ラミネートやPP貼りと比較検討する方もいますが、光沢感・耐久性という点ではラミネートが勝ります。PP貼りよりも安価かつPP貼りと同様のツヤ感が出ますが、耐久性に劣るのが難点です。誌面のタイトル部分や、写真のみにプレスコートをするといったスポットでの加工にも対応しています。

ラミネート(パウチ加工)

ラミネート加工とは、印刷表面にラミネートフィルムを張り合わせ、光沢感と滑らかなマット感を出す表面加工のこと。身近なところでは、レストランやカフェなどで見かけるメニュー表に使われています。用紙を両面から挟み込んで圧着するため、耐水性と耐久性に優れ、汚れに強く表面が傷つきにくいといった特徴があります。ラミネート加工は「パウチ加工」と呼ばれることもありますが、基本的に同じ表面加工を意味します。

箔押し

箔押しとは、紙の上に接着剤のついた箔を重ねて、熱と圧力をかけることで金属光沢を表現する加工方法のことです。加熱しながらプレスするから別名ホットスタンプとも呼ばれています。箔押しの最大の特徴はメタリック感(金属光沢)を表現できること。箔の種類もさまざまで、メタリック、顔料、ホログラムとバリエーションも豊富です。化粧品や高級ギフト箱などのパッケージに箔押しが使われていますが、他の加工にはない高級感を出すことができます。

デボス

デボス加工は「空押し」とも呼ばれ、表面の文字や絵柄をへこませて陰影をつける表面加工のことです。似たような加工に「エンボス加工」がありますが、デボス加工は文字や絵柄をへこませて立体感を作るため、上品で高級感のある仕上がりになります。視覚だけではなく、触覚にも訴えられる人気の表面加工です。注意点としては、デボス加工を施した部分には色をつけられないこと。どの部分をへこませるか、入念に確認してから進行しましょう。

エンボス

デボス加工がへこませる加工なら、エンボス加工は浮き上がらせる加工方法です。エンボス加工には、圧力を加えて柄や文字を浮き上がらせる通常のエンボス加工と、インキを厚く載せることで盛り上げる方法(疑似エンボス加工)があります。どちらを選ぶかはケースバイケースですが、通常のエンボス加工は素材が限定されます。特殊なインキを厚く盛る擬似エンボス加工はどのような素材にも対応しています。

マットビニール

マットビニールは、塩化ビニール系の合成樹脂に速乾性ニスを混ぜたものをローラーで印刷表面に施し、赤外線ヒーターで熱乾燥して用紙に定着させる表面加工です。高い光沢と耐摩擦性が特徴で、パッケージの表面加工に用いられる加工方法です。比較的安価でマットニスよりも高い強度が得られ、マット感も増した印刷面に仕上がります。

PP貼り

PPとはポリプロピレンの略で、印刷物の表面に薄いフィルムを圧着して貼り合わせる表面加工のことを指します。耐水性や耐久性に優れていることから、書籍や教科書の表紙などに用いられています。加工時の注意点としては、加工することで印刷面の平滑度が変わるため、加工前後で発色が異なること。事前に色校正を行なったうえで印刷を進めましょう。

PET貼り

PETとはポリエチレンテレフタレートの略で、PPと同様にPETフィルムと呼ばれるフィルムを圧着して貼り合わせる加工方法です。フィルムの厚みはPPと同程度ですが、PPよりも硬い素材を使用しているため耐久性に優れます。また透明度の高い光沢感もPETの特徴で、印刷表現を損なうことなくきれいに表現することができます。

その他の表面加工の種類

ここまで9種類の表面加工について解説してきましたが、印刷物を作成したことのある方であれば、聞いたことのあるものも多かったのではないでしょうか。加工方法は他にもあり、なかにはこれまでになかった新しい技法を用いた表面加工も。ここからは特徴的な表面加工を紹介します。

トランスタバック加工

PP加工は印刷面にフィルムを貼り合わせる加工方法ですが、トランスタバック加工は「フィルムの面を印刷面に転写させる」加工方法です。ラミネートの特徴を持った表面加工で、ホログラグラムのフィルムを使用して、さまざまな模様を転写することができます。転写用のフィルムは貼らずにくり返し使えるため、ラミネート加工を施すよりも低コスト。また、有機溶剤を含まない塗料を使用していることに加えて、フィルムレスを実現しているため、印刷紙と同等のリサイクル適正があり環境にやさしい加工と言えます。

擬似シルク加工

疑似シルク加工とは、シルク厚盛印刷を疑似的に施した表面加工です。シルク厚盛印刷とは、メッシュ状の版を使用しインキの盛り上がりを利用して立体感を持たせる印刷方法を指しますが、擬似シルク印刷は目立たせたい部分にインキを厚く盛ることで、盛り上がった部分を強調するという仕組みです。デザインの一部が盛り上がり、透明の光沢を帯びるため、触覚にも視覚にも訴えることができます。

LCコート

LCコートは、印刷面にUV塗料を塗布し、転写用のホログラムフィルムを圧着したまま、UVランプを照射することでフィルムの柄を転写するという加工方法です。全面を覆う必要がないため、一部のみホログラムを抜くなど、柔軟なスポット加工が可能です。転写できる柄のパターンも多く、高級感や他の印刷物と差をつけたい時、デザインの幅を広げたい時におすすめです。フィルムが印刷物に残らないため、資源リサイクルにも対応しており、またPP加工と比べて安価なので、コストを抑えたい方にもおすすめしたい表面加工です。

CCG HONANDOの表面加工の印刷事例

CCG HONANDOではこれまでに数多くの表面加工を手がけてきました。擦れや汚れに強い会社案内を作りたいというお客様には、安価かつ短納期のニス加工を提案したり、食品の色を鮮やかに表現したいというお客様には、ツヤ感の高いPP加工をおすすめしています。また、PP加工と同様の価格で、特別感のあるビジュアル付きポストカードを作りたいというお客様には、LCコートを用いてラメ加工を施しました。お客様のご要望に合わせて、最適な表面加工を提案しています。

まとめ

今回は表面加工について取り上げ、その種類について解説してきました。ツヤを出すだけでもさまざまな選択肢があり、部分的に質感を加えるか、それとも耐久性を加えるかなど、デザイン面や機能面にこだわるかによっても異なります。表面加工は印刷物自体の性能や見た目を上げる工程です。多くの方にその魅力を体感してほしいと思います。どんな表面加工があるのか知りたいという方や、コストや納期について確認したいという方はぜひお見積りからご相談ください。

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